「ゼルダの伝説」シリーズには、リアルなリンクが活躍するシリーズと、ネコ目が特徴的なトゥーンリンクが活躍するシリーズの2パターンが存在します。
今回は、『時のオカリナ』と同じ路線で作られた、リアルな世界観の【ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】をレビューします!
このゲームについて
対応機種 | Wii・ニンテンドーゲームキューブ(GC) |
---|---|
ジャンル | アクションアドベンチャー |
人数 | 1人用 |
発売元 | 任天堂 |
発売日 | 2006年12月2日 |
「トワプリ」の愛称で親しまれているこのゲームは、Wii用のソフトとして初めてリリースされました。
(ちなみに、GC版は今作で最後の作品となりました)
大手ゲームメディアで『シリーズ最高傑作』と評されており、最優秀賞である【Game of the Year】を獲得するなど、日本だけではなく海外でも人気の作品です。
なお、2016年3月10日に、Wii U用のリメイク版ソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』も発売されています。
私がプレイしたのはWii版なので、このレビューは「Wii版」としてご覧ください。
おすすめポイント
ダークな世界観
今作では、リンクが狼(ウルフリンク)に変身して、光の世界と影の世界(トワイライト)を行き来して冒険を進めていきます。
旅の相棒は、妖精ではなく魔物の「ミドナ」というキャラクターです。
全体的に『影の世界』のイメージが強く、キャラクターデザインやモンスターなど、ダークな雰囲気が強めです。
いつもよりもコミカルな要素が少なく、王道で硬派な作品となっています。
トワプリは、ちょっと暗めの世界観がとにかく美しく、世界観や雰囲気を味わいたい、大人のプレイヤーにおすすめの作品です。
時のオカリナと比べるとグラフィックが大幅に向上しており、人物や風景の作り込みがハンパないです。
Wii時代でも凄く綺麗だったのに、Wii UのHD版はどれくらい綺麗になっているのか気になりますね。
アクションの楽しさが2倍
通常の「リンク」としてもアクションを楽しむことが出来ますが、今作は狼版の「ウルフリンク」のアクションも楽しめます。
リンクは、剣や弓矢などのアイテムを使って謎を解いていき、ウルフリンクは、「センス」という身体能力を使って冒険を進めていきます。
例えば、リンクでは見ることのできない『魂』となった存在を見つけたり、匂いを追跡したり、さらに、動物の言葉も解かるようになるんです。
攻撃方法は、「噛みつき」「体当たり」など、身体を使ったアクションがメインです。
(狼状態だと、剣やアイテムは使えません)
リンクとは違い、スピード感のあるバトルやダンジョン攻略が楽しめるので、自分の好きなスタイルで遊ぶことのできる”自由度”も上がっています。
魅力的なキャラクター
今作では、今までの作品に出てきたキャラクターの出番は少なく、新キャラが沢山登場します。
相棒の「ミドナ」はもちろんですが、新しい悪役の「ザント」、可愛い見た目と裏腹な「マロ」、虫さん王国のプリンセス「アゲハ」、自称 ”少したしなんでいる” 雪人の「マトーニャ」・・・
話しかけてみると結構クセがあり、いつの間にか好きになってしまうキャラクター達ばかりです。
新キャラだけではなく、ゼルダシリーズ歴代のキャラクターも出て来ますよ。
私はポストマンが大好きで、今作でも出てきてくれて嬉しかったのですが、色々と「あれっ・・・」と思ってしまいました。
(トワプリは、時のオカリナから数百年後の世界の話なので、同じキャラクターのようでも別人らしいです。)
懐かしいような、何かが違うような・・・
時オカとは違う新しいゼルダの世界観は、かなり新鮮ですよ。
残念な点
ボヤっとしている
HD版では改善されたのかもしれませんが、Wii版だととにかく画面が見にくいです。
画質の荒さを隠すように、全体的にテクスチャがかかったようにボヤっとしています。
最初、「テレビが古いからかな」と思っていたのですが、今見ても変わらないので仕様みたいです・・・。
セリフも風景もボヤっとしているため、細かい文字や状況が把握しづらく、非常に目が疲れます。
「トワイライト」の演出として、ノスタルジーを感じられるような『黄昏感』の雰囲気は最高に味わえるのですが、それにしてもぼかしすぎじゃないのかなぁ・・・。
視力が悪い人間的には、もう少し文字を見やすくして欲しかったです。
操作が複雑
Wiiとして初めての作品なせいか、挑戦的な操作が多いです。
Wiiリモコンとヌンチャクの両方を使ってプレイするのですが、
- Wiiリモコンを振る→剣を振る
- Wiiリモコンでポインティング→射撃
- ヌンチャクを振る→回転斬り
など、両手を使ってプレイするので、操作が結構大変なんです。
もちろん、アイテムの切り替えや、盾を使ったガード等も同時に行わなければいけません。
両手を使った操作に慣れず、何度もやられて、とにかく苦戦した覚えがあります。
(チェーンハンマー(鉄球)のアイテムがすっごく苦手でした・・・。
Wiiリモコンを振らないといけない場面で、ヌンチャクを振り回しながら、「反応しないじゃん」と怒った日々が懐かしいです・・・)
ゲームは完全クリアを目指す主義ですが、操作にイライラしてしまって、トワプリだけはコンプを諦めました・・・。
(Wii以外のハードなら、もっとサクサク進めるのかもしれません。)
ミドナの性格が賛否両論
リンクのサポートをしてくれる相棒の『ミドナ』ですが、好みが別れる性格をしています。
基本的に上から目線で、「オマエ」「アイツ」などと口が悪いです。
「せっかく一緒に旅をするんだから、もう少し協力的な態度でもいいのになぁ・・・」と、発言に違和感を感じることが多かったです。
(なんだかんだ言って助けてくれるので、典型的な”ツンデレ”キャラですね。)
最後の最後で「なんだ、可愛いじゃん」とグッとくるシーンがありましたが、道中のイメージが悪いため、好感度はプラマイゼロで終わりました・・・。
好みの問題ではあると思いますが、個人的には素直で可愛い子の方がプレイしていて楽しいです。
評価まとめ
ストーリー | ★★★★☆ 4.0 |
---|---|
操作性 | ★★★☆☆ 3.0 |
音楽・グラフィック | ★★★★☆ 4.2 |
ボリューム | ★★★★☆ 4.3 |
価格 | ★★★☆☆ 3.9 |
総評 | ★★★★☆ 4.0 |
Wii特有の操作に慣れなかったため、操作の評価は低いです。
ですが、美しいグラフィック、虫収集などのやり込み要素、感動的なエンディングなど、ゼルダシリーズとしてはプレイして間違いない作品です。
なお、ホラーテイストのモンスターがいっぱい出てくるため、小さいお子様のプレイにはご注意ください。
大人の方なら、このダークな世界観がたまりませんよ。
コメント