「ゼルダの伝説」シリーズに出てくる、『チンクル』というキャラクターをご存じでしょうか?
実は、あのチンクルが主人公のゲームが発売されているんです。
ちょっとアレなビジュアルだけど隠れた名作の【もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド】をレビューします!
このゲームについて
対応機種 | ニンテンドーDS |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
人数 | 1人用 |
発売元 | 任天堂 |
発売日 | 2006年9月2日 |
王道で正統派の「ゼルダの伝説」シリーズですが、この「もぎチン」は、ブラックでシュールな内容が満載です。
ストーリーを簡単に説明すると、「汚い大人はお金で解決しましょう」というような内容で、まさしく【お金が全て】のゲームです。
用心棒を雇うのはもちろん、お礼、お願い事、ヒントなどなど・・・
住民に話しかけるたびに、「で、いくらくれるの?」という流れになります。
これだけ聞くととんでもないようなゲームに見えますが、これが結構ハマるんです!
おすすめポイント
”シュールさ”がたまらない
このゲームは、全ての物事を『ルピー(ゼルダシリーズの通貨)』で解決していくのですが、この交渉が楽しいです。
何かをお願いする時に、交渉でルピーを支払います。
ギリギリの値段なら、「少ないけど仕方ないわね・・・」など、チンクル(主人公)が喜ぶイラストとともに交渉が成立します。
また、お礼を貰う時も同様です。
提示した金額が少なすぎると、「そんなもんでいいの? 控えめなお人ね。」的なセリフが出て、チンクルの反応も変わります。
ノーヒントで「これだ!」と思った金額で良い感じの反応が貰えると、「私の金銭感覚間違いないな~」なんて快感です。
交渉以外にも、会話やストーリーが初っ端からシュールです。
このゲームは、スーパーマリオRPGやmoonなど、今でも人気の高い有名ゲームの開発スタッフが設立した、『ラブデリック』による「バンプール」という会社が作っています。
ラブデリックは昔からシュールな作風を売りとしており、その魅力が存分に発揮されている作品になっています。
(独特な作風から、『ラブデリック系』と呼ばれています。)
マルチエンディング
このゲームはマルチエンディングとなっており、エンディングが2パターンあります。
普通にクリアしても、ブラックゲームならではの面白いエンディングが見れるのですが、真のエンディングは「そうくるか」と意表を突かれました。
シリアスとブラックユーモアのバランスが丁度良く、場面場面で状況が大きく変わります。
私は、門番さんのストーリーが一番好きでした。
ギャグテイストなのかと思いきや・・・結構グッときました・・・。(´;ω;`)
真エンドの条件を満たした状態でセーブしてしまうと、普通のエンディングは見れなくなってしまいます。
まずは普通にプレイしてみて、次に真エンド目指してやり込んでみてくださいね。
世界観が可愛い
ドットのキャラクターはもちろんですが、ゲーム中に出てくるアイテムが可愛いです。
「トロイモ」「ミニアップル」「エメラレラ」など・・・
レシピの材料や、売るだけのただのアイテムも、アイテム名や商品説明で抜群のセンスが光っています。
ついついコレクションしたくなってしまいますね。
ジャーナリストが病みつきになるエンペラージュースは、一体どんな味がするんでしょうか・・・
モンスターやキャラクターが可愛いのに、話している内容はブラックだったりするので、そのギャップも面白いですよ。
残念な点
移動が遅い
3DS用ではなく、DS向けの古めのゲームとあって、操作性がモッサリとしています。
主人公のチンクルの移動が遅いので、「もっと早く動いてくれないのか!」とじれったくなることも多々あります。
(スピード感のある最新のゲームに慣れすぎたせいかもしれません・・・)
慣れてしまえば「こんなもんか」と思えるのですが、最初のうちは移動が遅く、お金も貯まりにくいので、色々なもどかしさを感じるかもしれません。
ワープのシステムをどこからでも出来るようにして欲しかったなーと、操作性に少々の不満があります。
ボスの難易度にムラがある
基本的には、やりごたえのある難易度で丁度良いのですが、途中に出てくる『ドラドラ』というモンスターと、ラスボスの難易度が高めです。
特に、ドラドラというモンスターは、ボス戦の中でルピーを拾う必要があり(強制ではないのですが、クリア後の報酬が大きく変わってきます)、せかせかとルピーを集めていると、ボスが近づいてきて失敗・・・のバランスが鬼畜です。
私は4回ぐらい失敗し、「ダンジョンの脱出も面倒だし、どうしよう・・・。」と半ば諦めていた時にようやくクリアできました。
クリアできた時の快感はハンパないのですが、もうちょっと難易度が低くても良かったんじゃないかなぁと思います。
イェンロンの確率がおかしい
私はやりこみ要素のあるゲームが好きなのですが、このゲームも【流れ用心棒】というやり込み要素があります。
マップ上にランダムに出るキャラクターを用心棒として契約するのですが、『イェンロン』がとにかく出ない・・・!!
私の周回方法が悪かったのかもしれませんが、10時間ぐらい潜って、テデトドが6回、ヤモリが1回、イェンロンが0回でした。
完全コンプを目指していたのですが、イェンロンの出なささに心が折れました・・・。
あまりにも出なさすぎるため、段々と「何をやっているんだろう・・・」という気にすらなりました(´;ω;`)
せめて、出てきてくれる時にヒントや、お金のゲームなんだから、お金を払って出現確率をUPしてくれる方法があればいいのになぁ・・・。
イェンロンで隠しボスも倒しに行きたかったのに、叶わずに悔しいです。
評価まとめ
ストーリー | ★★★★☆ 4.3 |
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操作性 | ★★☆☆☆ 2.5 |
音楽・グラフィック | ★★★★☆ 4.0 |
ボリューム | ★★★★☆ 4.0 |
価格 | ★★★★☆ 4.3 |
総評 | ★★★☆☆ 3.9 |
シュールゲームや、どうぶつの森のような守銭奴ゲームが大好きな方には、断然おすすめのゲームです。
重たいストーリーや怖い演出は出てこないので、疲れた時にポチポチとプレイできるお手軽さも良いですね。
もう少し歩行速度が速ければ操作性の評価が上がったのですが、そこだけが残念なところです。
「もぎチン」は隠れた人気作品ではありますが、知名度が少なく値下がりが凄いです。
中古で700円、Amazonレビューでも星4.2の作品なので、『神がかりのシュールさ』をぜひ楽しんでくださいね。
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