総評:★★★★☆4.0|ダークな世界が大人向け「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」レビュー

ゲームレビュー

「ゼルダの伝説」シリーズには、リアルなリンクが活躍するシリーズと、ネコ目が特徴的なトゥーンリンクが活躍するシリーズの2パターンが存在します。

今回は、『時のオカリナ』と同じ路線で作られた、リアルな世界観の【ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】をレビューします!

このゲームについて

対応機種Wii・ニンテンドーゲームキューブ(GC)
ジャンルアクションアドベンチャー
人数1人用
発売元任天堂
発売日2006年12月2日

「トワプリ」の愛称で親しまれているこのゲームは、Wii用のソフトとして初めてリリースされました。
(ちなみに、GC版は今作で最後の作品となりました)

大手ゲームメディアで『シリーズ最高傑作』と評されており、最優秀賞である【Game of the Year】を獲得するなど、日本だけではなく海外でも人気の作品です。

なお、2016年3月10日に、Wii U用のリメイク版ソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』も発売されています。

私がプレイしたのはWii版なので、このレビューは「Wii版」としてご覧ください。

おすすめポイント

ダークな世界観

今作では、リンクが狼(ウルフリンク)に変身して、光の世界と影の世界(トワイライト)を行き来して冒険を進めていきます。
旅の相棒は、妖精ではなく魔物の「ミドナ」というキャラクターです。

全体的に『影の世界』のイメージが強く、キャラクターデザインやモンスターなど、ダークな雰囲気が強めです。
いつもよりもコミカルな要素が少なく、王道で硬派な作品となっています。

トワプリは、ちょっと暗めの世界観がとにかく美しく、世界観や雰囲気を味わいたい、大人のプレイヤーにおすすめの作品です。

時のオカリナと比べるとグラフィックが大幅に向上しており、人物や風景の作り込みがハンパないです。
Wii時代でも凄く綺麗だったのに、Wii UのHD版はどれくらい綺麗になっているのか気になりますね。

アクションの楽しさが2倍

通常の「リンク」としてもアクションを楽しむことが出来ますが、今作は狼版の「ウルフリンク」のアクションも楽しめます。

リンクは、剣や弓矢などのアイテムを使って謎を解いていき、ウルフリンクは、「センス」という身体能力を使って冒険を進めていきます。

例えば、リンクでは見ることのできない『魂』となった存在を見つけたり、匂いを追跡したり、さらに、動物の言葉も解かるようになるんです。

攻撃方法は、「噛みつき」「体当たり」など、身体を使ったアクションがメインです。
(狼状態だと、剣やアイテムは使えません)

リンクとは違い、スピード感のあるバトルやダンジョン攻略が楽しめるので、自分の好きなスタイルで遊ぶことのできる”自由度”も上がっています。

魅力的なキャラクター

今作では、今までの作品に出てきたキャラクターの出番は少なく、新キャラが沢山登場します。

相棒の「ミドナ」はもちろんですが、新しい悪役の「ザント」、可愛い見た目と裏腹な「マロ」、虫さん王国のプリンセス「アゲハ」、自称 ”少したしなんでいる” 雪人の「マトーニャ」・・・

話しかけてみると結構クセがあり、いつの間にか好きになってしまうキャラクター達ばかりです。

新キャラだけではなく、ゼルダシリーズ歴代のキャラクターも出て来ますよ。

私はポストマンが大好きで、今作でも出てきてくれて嬉しかったのですが、色々と「あれっ・・・」と思ってしまいました。

(トワプリは、時のオカリナから数百年後の世界の話なので、同じキャラクターのようでも別人らしいです。)

懐かしいような、何かが違うような・・・
時オカとは違う新しいゼルダの世界観は、かなり新鮮ですよ。

残念な点

ボヤっとしている

HD版では改善されたのかもしれませんが、Wii版だととにかく画面が見にくいです。
画質の荒さを隠すように、全体的にテクスチャがかかったようにボヤっとしています。

最初、「テレビが古いからかな」と思っていたのですが、今見ても変わらないので仕様みたいです・・・。

セリフも風景もボヤっとしているため、細かい文字や状況が把握しづらく、非常に目が疲れます。

「トワイライト」の演出として、ノスタルジーを感じられるような『黄昏感』の雰囲気は最高に味わえるのですが、それにしてもぼかしすぎじゃないのかなぁ・・・。

視力が悪い人間的には、もう少し文字を見やすくして欲しかったです。

操作が複雑

Wiiとして初めての作品なせいか、挑戦的な操作が多いです。

Wiiリモコンとヌンチャクの両方を使ってプレイするのですが、

  • Wiiリモコンを振る→剣を振る
  • Wiiリモコンでポインティング→射撃
  • ヌンチャクを振る→回転斬り

など、両手を使ってプレイするので、操作が結構大変なんです。

もちろん、アイテムの切り替えや、盾を使ったガード等も同時に行わなければいけません。

両手を使った操作に慣れず、何度もやられて、とにかく苦戦した覚えがあります。

(チェーンハンマー(鉄球)のアイテムがすっごく苦手でした・・・。
Wiiリモコンを振らないといけない場面で、ヌンチャクを振り回しながら、「反応しないじゃん」と怒った日々が懐かしいです・・・)

ゲームは完全クリアを目指す主義ですが、操作にイライラしてしまって、トワプリだけはコンプを諦めました・・・。

(Wii以外のハードなら、もっとサクサク進めるのかもしれません。)

ミドナの性格が賛否両論

リンクのサポートをしてくれる相棒の『ミドナ』ですが、好みが別れる性格をしています。
基本的に上から目線で、「オマエ」「アイツ」などと口が悪いです。

「せっかく一緒に旅をするんだから、もう少し協力的な態度でもいいのになぁ・・・」と、発言に違和感を感じることが多かったです。

(なんだかんだ言って助けてくれるので、典型的な”ツンデレ”キャラですね。)

最後の最後で「なんだ、可愛いじゃん」とグッとくるシーンがありましたが、道中のイメージが悪いため、好感度はプラマイゼロで終わりました・・・。

好みの問題ではあると思いますが、個人的には素直で可愛い子の方がプレイしていて楽しいです。

評価まとめ

ストーリー★★★★☆ 4.0
操作性★★★☆☆ 3.0
音楽・グラフィック★★★★☆ 4.2
ボリューム★★★★☆ 4.3
価格★★★☆☆ 3.9
総評★★★★☆ 4.0

Wii特有の操作に慣れなかったため、操作の評価は低いです。

ですが、美しいグラフィック、虫収集などのやり込み要素、感動的なエンディングなど、ゼルダシリーズとしてはプレイして間違いない作品です。

なお、ホラーテイストのモンスターがいっぱい出てくるため、小さいお子様のプレイにはご注意ください。

大人の方なら、このダークな世界観がたまりませんよ。